全国人権擁護委員連合会

各地域における啓発活動

【愛媛】同和問題アンケート調査結果から見えてきたもの

2020年07月06日

はじめに
 愛媛県人権擁護委員連合会同和問題委員会では、人権擁護委員全220名を対象として同和 問題についてアンケート調査を、令和2 年1 月15日から2月29日までの期間に実施しました。ア ンケートには、208名から回答があり、回答率は94.5%でした。
 このアンケートは、同和問題についての人権擁護委員の理解や取組の現状を把握し、今後の 研修に役立てることと、アンケートによって同和問題への理解を図る啓発の機会とすることを目的 として実施しました。
 その結果、次のような課題や今後取り組むべき方向が明らかになりました。

1 同和問題についての理解をさらに深めたい
 〇 同和問題(部落差別)については、98%の委員が「理解している」と答えている。
 〇 「部落差別の解消の推進に関する法律」について、9割以上の委員が「理解している」と答えているが、 「よく知っている」と答えた委員は12%しかいない。
 〇 小・中学校で学習した経験を問うと、教科書記述の開始時期と委員年齢から考えると4%程 度しかいないはずが、約36%の委員が「学習したことがある」と答えていることから、他の学習 機会との重なりによって理解を図ったものと考えられる。
 〇 委員の約9割が社会教育の場で「学習したことがある」と答えている。人権擁護委員にとっ て社会教育は重要な学習の場となっており、連携の必要性を示している。

2 教科書記述にもっと目を向けたい
 〇 同和問題についての教科書記述を読んだことのある委員は、小学校6年社会科は約38%、 中学校「歴史」は約32%、中学校「公民」は約21%でした。人権啓発活動を進めるうえで、も っと教科書を知る機会を増やしたい。 特に、人権擁護委員としては、中学校公民教科書(日本文教出版)には、「部落差別をなくす ために」という見出しで、部落差別や同和対策審議会答申について解説し、就職や結婚など で差別があることにふれ、「(略)差別に立ち向かう人々が増えています。」と記述していること、 また、基本的人権の尊重に関した内容や法令が15 か所記述され、全体として人権読本とな っていることを知っておきたい。

3 子どもたちが学んでいる程度の基本的な事項については、しっかり理解しておきたい
 〇 同和問題に関連した鎌倉・室町時代、江戸時代、解放令、全国水平社、同和対策審議会 答申について理解の程度を聞くと、どの項目についても、約9割以上の委員が「理解している」 と答えているが、「十分に理解している」委員は、約3割程度にとどまっているので、さらに理 解が必要である。

4 我がこととして問題の解決に取り組みたい
 〇 同和問題に関わる相談があったとき、約70%以上の委員が、「対応できる」と答えているが、 約30%の委員が「自信がもてない」と答えている。
 ○ 身近に同和問題に関わる言動があったとき、約25%が「対応できる」、約66%が「ある程度 対応できる」と答えている。
 〇 地域の同和問題等の学習会で約46%の委員が、「発言している」と答えているが、約51% の委員は「発言していない」と答えている。このような学習会等に参加した場合には、ぜひ、 発言をしていきたい。 5 法務省作成の教材をもっと活用したい
 〇 YouTube法務省チャンネルの同和問題教材を「視聴したことがある」と答えた委員は、約1 2%にとどまり、あまり活用されていない現状である。同和問題について基本的な理解ができ るよう作成されており、十分活用したい

まとめ
 ⑴ アンケートで「理解していない」「知らない」と答えている委員が少なからずいました。この 委員の方々には、さっそく人権擁護委員同士で、理解不足の点について情報交換を行っ たり、啓発資料から学んだりしながら理解を深めたい。
 ⑵ 同和問題に向き合うことは、人間の尊厳について考えることであり、豊かに生きることに つながることを、啓発の場を通じて伝えたい。
 ⑶ 自由記述では、「同和問題の解決なくしして人権問題の解決はない。」「理不尽で悲しい 差別であることを継続して学習、啓発することが重要である。」「誰もが部落差別の当事者で あるという意識をもち、我がこととしてとらえる。」等の意見があり、真摯に同和問題の解決に 向き合っている人権擁護委員の姿が感じられ、愛媛県人権擁護委員連合会同和問題委員 会としても、活動の支援を一層進めたいという思いを新たにしたところである。

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